日本の香りでおもてなし
こんにちは。手ぬぐいケーキ師の松本です。今日は、日本の香りについてのご紹介です。「日本の香り?」あなたは何を連想し、思い出しますか??
マドンナが愛した墨の香り
1989年にリリースされたマドンナ4枚目のCDアルバムの「ライク・ア・プレイヤー (Like a Prayer)」 のジャケットには、当時マドンナが好んだパチュリオイルの香りが付けられた事で、話題になりました。
「パチュリオイル」馴染みのない方も多いと思いますが、パチュリはシソ科の植物で、花や葉からオイル(有効成分)が抽出されます。セクシーな香りと評されることが多いですが、イメージとしては墨の香りにとても近いです。
花や葉から抽出された香りでありながら、独特で濃厚な土の様な香りが特徴です。ノート(香りの継続時間)は、ベースノートに属し、揮発速度が最も遅いので、1日程度香りが持続します。
ちなみにレモンや、オレンジなどの香りは、トップノートで30分程度しか香りが継続しません。
ベースノートの香りは、木の皮や樹脂から抽出されたオイルに多いのですが、それらの香りは、感情のバランスをと整え、情緒を安定させる効果があると考えられています。
つまり、心が落ち着かない、ざわざわして心の真ん中が整わない時に使用すると良いのです。
私たち日本人は古くから書道の時間に墨の香りに触れてきました。
マドンナがこの「パチュリ」を好んだ時の心境は解りませんが、心を落ち着かせる貴重な時間を大切にしたいと願う気持ちは世界共通なのではないでしょうか?
日本の旅の記憶を香りで残す
香りを感じ部位と記憶を司る部位は、脳の中で隣接しています。
古い記憶はその当時の香りを嗅ぐと思い出しやすくなると実験で証明されています。
中国の古い村では、長老が村の大切な事を伝える時に、いつも同じ薬草を調合して壺の中に入れて焚き、村人たちに伝承をしていたそうです。
そして、長老の死後、村人たちは、伝承内容を思い出したい時に長老の薬草と同じ調合をし、伝承内容を思い出したそうです。香りは、記憶を蘇らせるのです。
訪日外国人の方に日本の香り、墨汁の独特の香りを体感して頂くと、きっと旅の記憶がより鮮明になる事でしょう。
墨汁が用意できなければ、香りの近いパチュリを少量、薫らすとよいでしょう。
パチュリは濃厚な香りなので、少量がポイントです。
私も”手ぬぐいケーキ”教室の時には、和の香りを焚いています。”手ぬぐいケーキ”作りを日本の楽しい体験として、心にいつまでも留めておいて頂きたいからです。
香りのおもてなし様々な取り組み
訪日外国人観光客の方などにむけ、お客様を香りでのおもてなしする動きが始まっています。
ANAでは、チェックインカウンターや空港ラウンジなどで、オリジナルブレンドの天然アロマサービスを行っています。
機内でも、国際際線ファーストクラス、ビジネスクラスのおしぼりに香りを付けるサービスもあるそうです。
www.ana.co.jp/ja/jp/serviceinfo/share/aroma/
連日多くの外国人観光客が訪れる大阪ミナミ「なんばパークス」2階インフォメーションでは、香りでリラックスをコンセプトに、同ビル内のショップ、「生活の木」が香りの演出を担当されています。
https://www.treeoflife.co.jp/
ホテルでも、客室内には空気清浄器を設置、できるだけ無臭にする様、心掛ける一方
エントランスやロビーなどでは、寛げる香りの演出をしている所もが近年増えて来ている様です。
訪日外国人観光客の方に日本の香りを想い出の1つにして頂けたら、とても素敵な事ですね。